24時間換気システムを365日稼働させる理由
山ワ建設工業の社屋が完成して、引越しをしてから約4カ月が経過しました。
新しい事務所で生活し始めてから「換気扇のスイッチを入れるか切るか」で社内でも意見が分かれることがあり、調べてみました。
結論から言うと、24時間換気システムは、スイッチを切らずに365日、常に稼働させてください。一応、スイッチはありますが、それはフィルターの掃除・交換等を行うときに切ります。
●なぜ24時間換気システムを設置しなければならないのか
昔の日本の住宅は気密性が低く、自然に呼吸をする木材を使用して作られていました。近年の住宅は化学物質を含む建材を使用するようになり、夏の暑さや冬の寒さ対策のために高気密・高断熱化してきました。その中で、換気性能が十分でないことが問題化し、2003年に建築基準法が改正され、すべての住宅に24時間換気システムを導入することが義務化されました。
●シックハウス症候群やハウスダストアレルギーの危険性
住宅の室内には、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒド等の化学物質やハウスダストが滞留しています。
*カーテン(合成化学物)
*ドア・建具(接着剤・塗料)
*ビニールクロス(接着剤・合成化学物)
*家具(接着剤・塗料)
*ソファー(合成化学物・防腐防虫木材)
*床(接着剤・塗料)
*下地材(合成化学物)
*ホコリ
*カビ
*タバコの煙
*ペットの毛
*ノミ・ダニのフン
*ウイルス(インフルエンザ・ノロウイルス等)
*生ごみのニオイ
*水蒸気
*調理の熱・油・ニオイ
●結露やカビの発生を防止
人は一晩の睡眠でコップ1杯の汗をかくといわれています。
住宅内では、湿気(水蒸気)を出し続けながら生活しています。
気密性が上がった住宅では、室内空気質を維持するための換気システムが重要なアイテムとなります。
●換気方式の種類
換気方式には「第1種換気方式」・「第2種換気方式」・「第3種換気方式」の3種類の方法があります。
【第1種換気方式】
機械で強制的に給気と排気を行う方式です。 ●換気扇給気→ 室内 →●換気扇排気→
メリット・・・最も確実に換気ができる。安定した換気効果が得られる。給気側のフィルターで外気の汚れが入ってこない。音が静か。
デメリット・・・導入コストがかかる。電気代が他の方式に比べて高い。外気の温度や湿度がそのまま入ってくる(熱交換なしの場合)
【第2種換気方式】
機械で給気を行い、排気を自然に行う方式です。 ●換気扇給気→ 室内 → ×自然排気→
これは、一般住宅では採用されず、病院などで採用されてる方式です。
メリット・・・・室内に塵やホコリ入りにくい。消費電力が少ない。
デメリット・・・エネルギー効率があまり高くない。結露しやすい。
【第3種換気方式】
開口部から自然に給気し、排気を機械によって行う方式です。 ×自然給気→ 室内 → ●換気扇排気→
コストが安く抑えられるので、最も多く住宅で採用されています。
メリット・・・結露を発生させにくい。電気代が安い。
デメリット・・・各居室に給気口を設置する必要がある。エネルギー効率が低い。給気口から外気の汚れが入ってくる。換気が不十分。
●熱交換気なら省エネで快適
上記の換気方式から、住宅の換気状態で理想的なのは、「第1種換気方式」だと言えます。
ただし、デメリットもあるのでそこを解消させるには、「熱交換気」がおすすめです。
熱交換気は、冬は室内の熱エネルギーを利用して、新鮮な外気を予熱して室内に給気します。
夏はエアコンで除湿された涼しい室内の空気を外気と熱交換して、室内に除湿された湿度に近づけて給気します。
春は花粉やPM2.5など外気の汚れが室内へ入ってくるのを抑えます。
導入時のコストはかかりますが、熱ロスが少ないため、室内の快適温度が損なわれにくく、冷暖房費を大幅節約できます。
特に寒い地域ほど光熱費の効果が表れやすく、北陸地方は湿度が高いので夏も除湿効果を感じやすいと思います。
また、窓を開けて換気する必要がないので、室内音の流出を抑えたり、戸外の騒音も抑えながら快適に換気ができます。
●空気の質を向上させて健康で長生きしましょう
人が一番体内に取り込むものは空気です。
家族が長く健康でいるためには、良い空気の環境で暮らすことがとても重要です。
新築を検討されている方はもちろん、リフォームにも対応できるシステムがありますので、ぜひご相談ください。
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